ここでしか観られない!?単館系・ミニシアターの魅力

映画館まっぷ
  1. ここでしか観られない!?単館系・ミニシアターの魅力
2014年11月13日

ここでしか観られない!?単館系・ミニシアターの魅力

「この作品を上映しているのは、全国でもここだけ!」という単館系・ミニシアターの魅力と楽しみ方をご紹介しましょう。

ここでしか観られない!?単館系・ミニシアターの魅力
ハリウッドの超大作や人気テレビドラマの映画版であれば、全国各地の映画館で気軽に観ることができます。しかし「この作品を上映しているのは、全国でもここだけ!」という映画館があるのをご存知ですか?そんな単館系・ミニシアターの魅力と楽しみ方をご紹介しましょう。

普通の映画館とは違うこだわりのラインナップ

単館系・ミニシアターとは、定員が多くて200人、ときには数十人の文字通り小さな映画館のことですが、キャパシティの数が基準なのではありません。大手配給会社が手がけない作品を独自に買い付け、興業的な成功がむずかしくても、すばらしい作品を世に出したいと強い志をもって営まれ、「いま、ここでしか上映されない」ことを最大のウリにした映画館。それが単館系・ミニシアターなのです。

どんな単館系・ミニシアターがあるの?

では単館系・ミニシアターとして有名な東京の映画館を3つご紹介しましょう。

全国の単館系・ミニシアターのなかでも、その先駆けといえるのが、東京は神田・神保町の岩波ホールです。1974年にオープン以来、日本では上映される機会の少なかったアジア、アフリカ、中南米や、女性監督の作品などを中心にラインナップしてきました。わが国で最初に「各回完全入替制」を導入したのもこの映画館で、予告編に企業CMを入れないという徹底したポリシーを持って 観客の知的欲求と社会的意識に応えています。「お堅い作品を上映している地味な映画館」と敬遠するなかれ。有名監督も人気俳優も関係なく、優れた作品を観ようと大勢の観客が今日も神保町を訪れています。

2014年の春、渋谷のシアター・イメージフォーラム前の路上には、『ザ・アクト・オブ・キリング』の開場を待つ人たちの長い行列ができました。この映画は、60年代にインドネシアで虐殺を行った人々を訪ね、当時を再現する映画への出演を持ちかけて、彼らが嬉々として殺人行為を演じる様子を描いたものです。グロテスクな内容にも関わらず大盛況だったのは、人間の本質への興味や、自身にも潜んでいるかもしれない殺人の可能性への恐怖からでしょうか。エッジの効いた問題作を次々に上映し、新しいエンターテインメントを模索している映画館です。

同じく東京・渋谷のユーロ・スペースでは、まだ無名に近い映画監督や俳優や、知る人ぞ知るマニアックな作品を多く上映しています。通常の上映に加えて、朝早い時間の「モーニングショー」や終電ぎりぎりまで楽しめる「レイトショー」のほか、2014年10月にはピンク映画の巨匠渡辺護監督作品の連続上映、ゆかりの方々によるトークイベントも行われました。映画の作り手と観客が共に映画の魅力を味わい、考えることのできる映画館といえましょう。

単館系・ミニシアターの醍醐味とは?

単館系・ミニシアターにはネットによる座席の事前予約システムがなかったり、ロビーが狭かったり、行き届いたサービスもなかったりします。しかしプログラムされる作品のラインナップには、「自分たちの映画館は、この作品を上映するんだ」という強い意志が感じられます。「ここでしか上映されないすばらしい作品を観てください」という心意気、それこそが観客への最大のホスピタリティではないでしょうか? そんな映画館スタッフの情熱も含めて映画を楽しむ。それこそが単館系・ミニシアターの醍醐味です。

こうした貴重な作品の上映やイベントを見のがさないために、映画館に行ったらこまめにチラシラックをチェックすることをお勧めします。気になる作品や映画監督、俳優の名前や写真が目に入ったら、即効でチラシをゲットしましょう。チラシという「紙物」の魅力も捨てがたいものですし、のちのちアーカイブ資料として価値が出る可能性もありますよ。

ネットの口コミも要チェックです。ツイッターのハッシュタグ#に映画名を入れて検索すると、「おもしろい!」、「自分も観た」、「必見」、逆に「行かないほうが」など、たくさんの情報が得られます。

東京だけではない!地方の単館系・ミニシアター

素敵な単館系・ミニシアターがあるのは、東京だけではありません。たとえば北海道・札幌のシアターキノは、市民出資によるNPO型の市民映画館です。多くの市民ボランティアが運営に携わり、上映、制作、配給、映画評論などについて考える映画講座や、中高生のための映画制作のワークショップなど、地域に根ざした活動を継続しています。

また広島県尾道市にあるシネマ尾道も、市民の募金によって設立された映画館です。新作の上映はもちろんのこと、過去に上映され好評だった作品のアンコール上映や、「お蔵出し映画祭」という楽しいイベントもあります。尾道市在住の作家とのコラボレーションによるオリジナル手拭を販売したり、町の人々に愛され、育てられてきた映画館といえるでしょう。