知らなかった!?シネコンのここがすごい

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2014年11月13日

知らなかった!?シネコンのここがすごい

シネマコンプレックス、通称シネコンは、ひとつの建物のなかに複数の映画館が集まってできた複合施設のことを言います。わたしたちの日常にすっかりなじんでいる「シネコン」について、少し考えてみましょう。

知らなかった!?シネコンのここがすごい

シネコンの歴史

シネコンとは、収容人数の異なる映画館をいくつか組み合わせることによって、作品のヒット状況、つまり観客の入りに応じて効率よく運営している映画館のことです。あそこへ行けばたくさんのラインナップのなかから好きなものを選べるというサービスを提供して、より多くの観客を集めています

発祥は1940年代、アメリカの「マルチプレックス」と呼ばれる2つのスクリーンを持つ映画館だったそうです。日本では1960年代をピークに映画館の数、つまりスクリーンの数と観客数は減少の一途をたどりますが、シネコンの登場によって下降傾向に変化が現れはじめました。

日本に初めて登場したシネコンは、1993年神奈川県海老名市にオープンした「ワーナー・マイカル・シネマズ海老名」で、以後国内にシネコンは増え続け、全国のスクリーン数の8割以上を占めると言われています。

シネコンの特徴=観客へのサービス

シネコンの収容人数は100席足らずの小ぢんまりしたものから、500席の大きなものもありますが、平均すると150から250席に抑えられています。これは、映画のあたりはずれによる興業リスクを軽減するための工夫と言えましょう。この「大小のスクリーンの組み合わせ」がシネコンの特徴であり、経営手腕のみせどころであり、すなわち観客へのサービスでもあるのです。

たとえば大ヒット作品をみようと映画館に行くと、どの回も満席だったという経験はどなたにもありますよね? けれどシネコンならば、ひとつの作品が時間をずらして複数のスクリーンで上映されることもありますから、クリーンAが満席でも少し待てばスクリーンBでみることができます。逆に不入りの作品なら、もっと小さいスクリーンへ移動して観客の多い作品へスクリーンを譲ることもでき、観客にとってもありがたく、映画館にとっても効率のよいシステムと言えます。

ロビーや化粧室も清潔に整えられ、快適な環境で映画を楽しむことができ、映画のハシゴをするにも便利です。また、大型商業施設内にあるシネコンがほとんどで、映画館へ行く途中、あるいは観終わったあとにショッピングや食事、エステなども楽しめます。家族のお出かけやデートに、食事や買い物はつきものですね。映画館プラスアルファの利便性、楽しみが加わることが大きな狙いです。

大型商業施設には、映画の半券を提示すると(観る前のチケットでもだいじょうぶ)、レストランの料金割引はじめソフトドリンクやデザート、ラーメンの半ライスなどのサービス、買い物代金の割引などを行っているところが少なくありませんから、事前に調べていくといろいろと便利ですよ。

シネコン?名画座?

ここで1983年にオープンした東京・キネカ大森のことを少しお話しましょう。まだ日本でシネコンの存在や概念が定着していなかった1983年、「日本初のシネマコンプレックス」と銘打って、西友大森店のなかに登場したのがキネカ大森です。実際に行ったことのある人には「えっ?あの小ぢんまりした映画館がシネコン?」と思われる方も多いでしょう。たしかにいわゆるシネコンでは最低でもスクリーンは5つありますし、それに比べるとキネカ大森にシネコンの巨大なイメージはありません。

しかし3つとは言え、スクリーンが複数あることや商業店舗に併設された施設であること、ロビーを共通のスペースとしてそれぞれの映画館に入るという当時としては珍しいシステムが、ワーナー・マイカル・シネマズ海老名に先駆けて、「日本初のシネコン」と捉えられたようです。今ではアジア映画の専門上映館としても有名ですし、一週間限定ロードショーなどもあって、その独特の雰囲気に魅了されるファンがたくさんいます。あの個性派女優・片桐はいりさんが学生時代、映画好きが高じてここでバイトをはじめ、今でもスタッフとしてチケットのモギリや終映後の掃除をすることもあるそうですから、すごいですね。

つまり映画はこれほど多種多彩であり、観客の求めているものも異なるということでしょうか?「ぜったい●◎が観たい!」と決心している人、「△◆が満席なら、べつの映画でもいいや」と柔軟に考える人、家族そろってひとつの映画を観て感動を共有したい人、家族べつべつに映画を観ても構わないから、終わったら全員集合して食事や買い物を楽しみたい人などなど、幅広い楽しみを求めてやってくるわたしたちを、たくさんのラインナップを揃えて充実したサービスで迎えてくれる、それがシネコンではないでしょうか?