チケットの取れない舞台やライブが映画館で観られるライブビューイングとは

映画館まっぷ
  1. チケットの取れない舞台やライブが映画館で観られるライブビューイングとは
2014年11月13日

チケットの取れない舞台やライブが映画館で観られるライブビューイングとは

演劇やオペラ、音楽ライブなどの人気公演のチケットは取りにくく、あきらめた経験はありませんか? そんな悩みを解決する、新しいエンターテインメントとして生まれた「ライブビューイング」についてご紹介します。

チケットの取れない舞台やライブが映画館で観られるライブビューイングとは

あきらめていた公演が観られる!?

演劇やオペラ、音楽のライブの最大の魅力は何でしょう? ずばり「今、ここでしか体験できない」生の楽しさですよね。けれど、人気公演のチケットは取りにくく、高額です。何度も観たり、日本全国、海外まで遠征するのをあきらめた経験は、多くの方にあることでしょう。そんな悩みを解決し、新しいエンターテインメントとして生まれたのが「ライブビューイング」です。

ライブビューイングとは?

ライブビューイングとは、2003年ごろから急速に発展した新しいエンターテインメントの形態で、劇場で上演された演劇やオペラ、ライブなどを映画館で上映するものです。

テレビでも演劇やオペラの様子が放映されることはありますが、劇場の迫力や臨場感に欠けるのは否めません。「もっと気軽に、何度でも観たい!」という観客の願いと、「すばらしいエンターテインメントを、もっと多くの人にたっぷりと味わってほしい!」という作り手の願いが合致したもの、それがライブビューイングなのです。

どんなライライブビューイングがあるの?

劇団☆新感線の「ゲキ×シネ」が、日本のライブビューイングの草分けといえるでしょう。劇団を有する株式会社ヴィレッジが、「新感線の舞台を映画館で上映したらおもしろいのでは?」と企画を立ち上げ、2004年に第1弾『髑髏城の七人~アカドクロ』を上映しました。以後舞台作品は「ゲキ×シネ」として全国の映画館でつぎつぎに上映され、観客動員数を着実に伸ばしています。

劇場に来られなかった新感線ファンも舞台を楽しみ、一ヶ月間の公演が終われば消えてしまう舞台芸術を、映像として残す役割も果たすことができ、ライブビューイングが観客と劇団どちらにも高いメリットがあることを証明しました。

オペラファンにとって、メトロポリタンオペラは憧れの舞台です。しかし来日公演がたびたびあるわけではなく、海外に出かけるには日にちや費用の面でつらい。この悩みに応えたのが、「METライブビューイング」です。ニューヨークのマンハッタンにある世界最高峰のオペラハウス、メトロポリタン歌劇場=METは、世界中のオペラファンに愛されている劇場です。

そこで上演されるオペラ公演を映像化したのが「METライブビューイング」です。ニューヨークから発信された世界のトップ歌手が競演する絢爛豪華な舞台を、上演から数週間後には、もう日本語の字幕付で鑑賞できます。さらに舞台裏や稽古風景などのメイキング部分や、歌手のインタヴューなども盛り込まれて、1本のオペラをさまざまな角度から味わえるのです。

名優の名台詞、名演技を味わう歌舞伎にも、ライブビューイングによる楽しみが生まれました。「シネマ歌舞伎」です。HDカメラで撮影した歌舞伎の舞台を映画館でデジタル上映するもので、歌舞伎の美と臨場感に徹底的にこだわり、劇場で生の歌舞伎を観ているかのような感覚を再現することを目指して、2005年に第一弾『野田版 鼠小僧』が上映されました。以来多くの作品が公開されて、東京・銀座の東劇を中心に全国各地で上映がつづき、なかなか歌舞伎公演に足を運べない歌舞伎ファンを喜ばせています。

ライブビューイングは演劇系だけではありません。たとえば2014年に嵐がハワイで行ったコンサートの模様は、全国200以上の映画館で上映されましたし、人気ミュージカル「テニスの王子様」は、「テニミュ映画祭2014」と銘打ち、出演者による「舞台挨拶付」があったりなど、ファン必見のイベントでした。

どんな魅力があるの?

何と言っても、舞台やライブを映画感覚で気軽に楽しめることが、ライブビューイング最大の魅力でしょう。大劇場の後方席やはじっこの席では、オペラグラスを使っても俳優の表情の変化を観ることはできません。ライブビューイングなら、俳優の額ににじむ汗やこぼれ落ちる涙まで、はっきりと観えるのです。さらにどうすれば舞台の魅力が伝わるかを考え抜かれた最高のカメラワークで撮影されており、構成や編集も巧みで、見どころを逃すことがありません。

演劇やオペラのチケットは1万円を超すことも珍しくありません。けれどライブビューイングなら映画より少し高めの2000円前後です。何度も繰り返して観たい人にはありがたいシステムですね。

新しいコンテンツも続々と

「それでも舞台はやっぱり生でなければ」と思う方も多いでしょう。そんな方にもご満足いただけるように、ライブビューイングのコンテンツは、日々新しい楽しさや喜びを模索しています。スクリーンに写されているのがすでに終わってしまったものではなく、今行われている「生」のものだったら?と想像してみてください。

そう、人気アイドルグループのライブの模様を、全国の映画館で「生中継」するライブビューイングも登場しました。たとえばAKB48のチームKの鳥取公演のライブを、東京や大阪、広島の映画館で同時生中継し、鳥取にいるおおぜいのファンといっしょに楽しめるのです。

中島みゆきによる「歌旅 劇場版」は、全国ツアーの様子を数々のヒットソングとともに構成した作品です。ドキュメンタリーとライブのコラボレーションであり、映像や音響の完成度をより高く、さらなる芸術性を追求したもので、第3のエンターテインメント、「シアター・エンターテイメント」と位置づけられています。

生の魅力を、いまこの場で楽しむという演劇やオペラ、音楽のライブの魅力に、ライブビューイングは違った切り口でより多くの人に気軽に楽しんでもらうことに挑戦しました。そして「劇場に行けなかったから、映画館でライブビューイングを観る」のではなく、「あの舞台がどのように映像化されるのか」と、新たな好奇心をもって映画館に足を運ぶファンを生みだしたのです。